6/14 本ゼミ議事録

6月14日のゼミでは、「バランス・オブ・パワーとは何か?」という前回の課題のディスカッション、『国際紛争(原書第6版)-理論と歴史』の「第4章 集団安全保障の挫折と第二次世界大戦」についてのD班による文献報告、そして3年生による書評を行いました。


 ディスカッション

今回は「バランス・オブ・パワー (以下BOP)とはなにか?」ということ前回と同様に各班とも各自の意見を持ち寄りまとめて、班ごとに発表しました。

定義


A班 力関係が均衡である状態、突出する勢力がない
B班 戦争の蓋然性を下げるが、絶対ではない
C班 ①一つの政策 ②政策決定する際の判断材料
D班 脅威国の行動を抑止するための行動

なぜ戦争が発生するか?


A班 
1. BOPのバランスは産業革命で変化する
2. Balance of power  Balance of profit はイコールではない
3.アイデンティティの対立はパワーバランスの均衡によって解決できない
B班 
1. 様々なパワー要因による構成 

Ex)軍事・経済・人口など
2. 自国利益優先
3. 非合理的要因よる行動 

Ex)イデオロギーなど
4. 大国の相対的パワーの低下
C

-1.BOPが崩壊した場合に、新たなBOPの確立にした場合
-2.BOPが長期化し、二極化することで対立が深化し戦争へ
-1.かつての同盟・親交国に敵対政策をとる可能性
-2.軍拡競争・安全保障のジレンマ
D班 

パワーの測定がそもそも不可能なため、19世紀の英国のような国がない限りBOPが崩れる可能性を秘めている。

その後森先生からコメントをいただきました。


BOPの前提


BOPは戦争を回避するための手段ではない
 ⇒自国独立の保持 
  →その追求の過程で当然戦争が一つの手段になる。 

では19世紀の協調とは?
戦争以外の手段( =会議での領土配分)によってパワーをマネージメント

→利権の再配分

しかしヨーロッパの協調は続かなかった。

 →ナショナリズムの勃興によって領土の割譲が容易に出来なくなった。

   ⇒各国の利権の再配分がうまくいかなくなり、戦争によってパワー

を変動させようとした。

② 文献報告

D 班が『国際紛争(原書第6版)-理論と歴史』の「第4章 集団安全の挫折と

第二次世界大戦」について文献報告を行いました。

1. 集団安全保障の興亡

2. 第二次世界大戦の起源


そして次回の課題として「WWⅡが起こるまでのプロセスの中で最も重

要な要因 とは何かが課されました。

 

③ 書評 

3年清水さんが「何故、オリンピックに国家は介入をするのか?」をテーマ

2冊の本について要約・コメント・批評を行いました。