10/2 本ゼミ議事録

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文責:下田
前回のゼミに引き続き、本日も二年生のケース・スタディの発表をしました。
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発表順
⑦ 北嶋:対テロ(アフガニスタン)、サイバー担当
⑧ 渡辺:対EU軍事・経済政策担当
⑨ 中司:人権政策、エネルギー政策
⑩ 高木:対北朝鮮、対日本政策
⑪ 下田:核政策、気候変動政策担当
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⑦北嶋   担当分野:対テロ(アフガニスタン)政策、サイバー政策
○対テロ政策
ブッシュ大統領【ブッシュドクトリン】
テロ壊滅、テロ組織を支援する集団の打倒を目標とし米国の安全保障を獲得しようとする政策
<特徴>
道徳主義外交
一方主義的な政策志向
<背景>
米国の突出した軍事力
  ↓
オバマ大統領
<特徴>
パキスタンも入れた包括的な対テロ政策
多国間協調主義
軍隊の撤退を視野に入れた政策
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○サイバー政策
サイバーテロ政策の転換点
1.サイバー攻撃を戦争行為とみなす方針を固めたこと(2011年6月 ゲイツ国防長官より)
2.サイバー・カウンターインテリジェンス
 →米国のサイバー攻撃への対抗手段を広げた
   この政策に伴い、通信傍受法も年々政府に大きな権限を与えるものへと変化
3.アメリカサイバー軍(USCYBERCOM)の発足
4.実際にサイバー攻撃を政策手段として利用したこと
 ex)オリンピック・ゲーム作戦
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⑧渡辺   担当分野:対EU軍事政策、経済政策
○対EU軍事政策
NATOへの予算納入
リーマンショックの影響で米国の予算納入額は落ちたが、欧州各国も財政難から同じく納入額が落ち、米国とEUのNATOに納めた予算額の比率は金融危機後も2006年とあまり変わらず。
2013年の予算においては、若干の削減を行っている。これはアフガニスタンからの撤退とアジアシフトの影響によるものであると推測できる。
在欧米軍
1990年から2004年までに3分の1以上ものアメリカ軍をヨーロッパから撤退させているが、その傾向は続いている。
さらに、2011年からは、在欧米空軍及び陸軍において司令官の階級が4つ星から3つ星に格下げされている。
 →ヨーロッパにおけるプレゼンスをいっそう低下させている決定的な証拠となりうる事象
東ヨーロッパ諸国への軍事的支援
軍事的支援の形態として、IMETとFMFという2つの形態が存在しているが、2006年から2012年において、特に大きな変化はなかった。
しかし、2014年にアフガニスタンからの撤退により、ますますアジアシフトが進む可能性が高い。
よって、これらの軍事的支援は削減の一途を辿ることも十分にありうる。
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○対EU経済政策
東ヨーロッパ諸国への考察を中心に行ったところ、対東ヨーロッパ諸国の経済支援の変化が2段階見られた
1つ目の変化
 →オバマ氏が大統領に就任した2008年に発生
従来、東ヨーロッパ諸国への経済支援は、AEECとFSAの2つが存在していたが、オバマ政権になるとAEECとFSAをAEECAに統合した。
前者は共産圏への対抗の意味で東欧諸国の民主化支援という名称だが、後者は東ヨーロッパや旧ソ連という語句を支援の名称から削除している。
オバマ大統領が、ブッシュ大統領の採っていたロシアとの緊張外交を緩和するねらいがあったと推測できる。
2つ目の変化
 →2013年度の予算で発生
AEECAをさらにESFの中に併合し、かつ2012年の予算のAEECAと比較すると18%削減している。
これは、2014年のアフガニスタンからの米軍の撤退、及びアジアシフトによって起きたものであると推測できる。
実際に撤退が始まる2014年以降は、さらなる削減を行う可能性もある。
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⑨中司   担当分野:人権政策、エネルギー政策
○人権政策
国外問題
1.対中政策
米国は頻繁に中国の人権侵害を指摘するものの、具体的な措置はしていない。
 (理由)①国内の人権政策を重視 ②中国と良好な関係でありたい
 (結果)中国が米国に強気な態度を示している。
2.グアンタナモ収容所
[ブッシュ]人道を無視して収容所を合法化
[オバマ]大統領就任時、年内の閉鎖を約束
 →ブッシュの政策が国連など国際的に非難されたのに対して、オバマ氏は収容所を閉鎖させることで米国の人道的リーダーシップを取り戻したかった。
<国外問題まとめ>
 オバマ氏の政策も失敗に終わり、何も変化していない。
国内問題
移民の増加が今後も避けられない米国は、州ごとに移民取締りを行った。
一方、オバマ政権は不法移民の人権を守るために移民改革法案を提出するが不成立に終わる。
 →このような政策は、大統領選挙のヒスパニック層を意識したものであるという見方もある。
<人権政策全体のまとめ>
2006年以降の米国の人権政策では、国外の人道問題よりも移民問題・社会保障・雇用の機会など、国民の生活に直接関係する問題の解決が優先される傾向がある。
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○エネルギー政策
米国の石油対外依存
2005~2011年の間で依存度は60%から45%まで改善されている。
(要因) 原油価格の高騰(中東の情勢から価格が不安定)、自動車燃費基準の引き上げ、天然ガスの大幅な増産(シェールガス革命)
(結果)  オバマ政権のクリーンエネルギー中心であったエネルギー政策が、天然ガス中心の政策に変化した。
(予測) 米国の中東に対する安全保障・民主化のコミットメントの低下
      計画中の米国の天然ガス輸出の実現
      中国・欧州の開発が進行による、ロシア石油・ガスの依存低下
対外政策
1.対中政策
中国の安価な太陽電池の市場流入により、米国の企業の多くが破産。
  →商務省は中国製ソーラーパネルなどに31~250%の高率関税を課すと決定
石油業界の中国進出
  →米国のサウジ産原油離れとは対照的に中国の石油輸入量は大幅に増加
2.対日政策
2011年 米国の天然ガスについて,日本への輸出を拡大するよう協力を促した。
→米国は対日輸出も視野に入れるが,現在の法制度上,米国とのFTA締結国以外への輸出には政府の許可が必須なので、輸出の確約は避けている。
→ただし、大阪ガスが2012年6月テキサス州のシェールガス開発プロジェクトへの参画を発表。
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⑩高木   担当分野:対北朝鮮政策、対日本政策
○対北朝鮮政策
アメリカの対北朝鮮政策は、ブッシュ時代は米朝単独講話だったが、オバマ大統領は日本などの近隣諸国との話し合いを綿密に行なった。
・ブッシュ大統領
北朝鮮に要求を突きつけるも受け入れられないと譲歩し、それもうまくいかないとまた脅すという無限ループ
 →具体的な成果を上げることはできなかった
・オバマ大統領
外交交渉によって解決するという立場は変わらない。また、周辺国との協力関係を密にした。また、国連を通じた制裁を行なった。
 →北朝鮮は強硬姿勢を崩さず、弱腰という批判も
<まとめ>
2012年2月の米朝協議で、北朝鮮問題は大きな進展を見せたかのように見えたが、実際の合意内容はアメリカが相当譲歩している。また、この合意の2ヶ月後に北朝鮮はミサイル発射を行った。これに対しアメリカは国連を通じて経済制裁の1年間の延長を決定した。
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○対日本政策
自民党政権時代(特に小泉・ブッシュ時代)は非常に良好な日米関係を築いていたが、その後テロ特措法をめぐり若干悪化。
日本で政権交代が起こり鳩山が2005年の沖縄県の米軍基地に関する日米合意を覆す発言をすると一気に日米関係は悪化した。
 →しかし東日本大震災により若干の回復を見せ、現在は民主党政権になってから初の本格的な対話を実現させた。
このように日米関係に動きはあるものの、ブッシュ大統領とオバマ大統領で対日政策の変化はほとんど見られない。
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⑪下田   担当分野:核政策、気候変動政策
○核政策
①:大きな変化
 ・ブッシュ政権時の強硬な態度が、オバマ政権時では一転して国際協調の姿勢をとるようになった。
 ・核不拡散への認識が大きく変化。国際社会からの評価も高い核廃絶への姿勢を表明。
②:今後数十年は核兵器の保有は不可欠と表明したり、イランや北朝鮮の核開発疑惑問題を鎮静化させることもできず、ブッシュ政権時から実際の核政策の実態は大きく変わっていない。
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○気候変動政策
京都議定書への加入表明で国際協調の姿勢を表明したり、大々的に気候変動政策を展開するなど、オバマ政権の政策は国際社会からの評価が高い。
⇔だが実際はねじれ議会によって政策が実行できなかったり、グリーンニューディール政策が失敗するなど、大きな実績はあまりない。
核政策でも見られたように、国際協調の姿勢を執るようになったのが大統領の交代による一番大きな変化である。