合同ゼミ議事録with同志社大学村田ゼミ

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議題:中国の軍事費増大は、日米同盟にどのような影響を与えるか?

合同ゼミでは、上記テーマを前提に、4つの班

「日本強硬班」

「米強硬班」

「日本協調班」

「米強調班」

に分かれ、中国に対して取るべき政策を思索しました。

その後、日米をすり合わせて強硬班/協調班の二大柱に分かれディベートを行いました。以下は、ディベートの議事録になります。

 

<日米強硬班>

■なぜ日米は強硬姿勢をとる必要があるのか?

国益の確保

→そうしないと何が起きるのか?

(ex) 尖閣諸島をはじめとする様々な領土またはシーレーンなどを脅かされる可能性がある

⇒国家主権の侵害 ※中国は尖閣諸島・東シナ海の領域を「核心的利益」としている。

・天然資源の利権を奪われる  (ex) ガス・石油

    ・漁場の減少(EEZ)

    ・中国または他国家による領域侵害の進行 ※他国家… (ex) ロシア(北方領土)

 

その他日米が強硬姿勢に出る理由…

→チャイナリスク

・知的財産権の侵害

・不買運動

・現地法人の安全問題  (ex)日本人社員の拘束

・中国製品に対する信憑性の低下

・人件費の高騰

 

■日米はどのような強硬姿勢をとればよいのか?

 

中国経済への依存度を下げる

(1)在中日本企業の東南アジア移転

中国国内の人件費は高いので、政府が日本企業撤退のための支援金を出す。

→東南アジアへの投資を増大→東南アジアの経済力強化→東南アジアの軍事費増大が可能になる→対中バランシング ※中国は南シナ海の領域も「核心的利益」としている。

またアジア地域において、中国に代わって日本の経済相手となるのがインド。日本はインドと包括的経済連携協定を結ぶなどして、インドに接近し始めている。

→世界最大の民主主義国家と称されるインドは、アジア地域において台頭する中国の「カウンターバランス」として戦略的重要性がある。

(2)レアアースの供給源のシフト(中国→アメリカ)

2012年からアメリカにあるマウンテンパス鉱床が操業開始予定。中国にとってレアースは外交カードなので、日本が中国以外の国からレアアースを輸入することは中国の外交カードを減らすことになる。

※日本では、依存脱却のために官民から合わせて、レアアース総合政策に1100億円の投資。

※2010年以降、世界各国でレアアースに関する中国への依存度を下げようという動きが始まっている。

 

安全保障の強化

・日米同盟の強化  (ex) 普天間移設の早期解決

・中国の軍事力拡大にともなう日本の防衛力の強化  (ex) 国防費の増加

※日本では国防費はGDP内の1%におさえられているため、国防費の増加は実質

困難である。だからこそアメリカの協力が必要。

・インドとの安全保障協力  (ex) 日印パートナーシップ

※2007年度に共同演習実施済み(親善訓練)

 

 

 

<日米協調班>

前提:アメリカにとってそもそも中国の軍事費増大は怖くない

理由:

  核心的利益(南沙諸島・尖閣諸島)=×勢力増大 ○エネルギー資源の確保

  軍事費増大=国防のため

軍事予算<警察予算

 ↓

軍事費増大はチベットなどの治安維持のため

 ↓

国内治安の改善により、軍事費は減少していく

→チベット問題などはそもそも貧富の差が要因にあり、その貧富の差を解消するためには国際的な経済交流は必須⇒協調路線をたどるのではないか

→貧富の差の改善により警察予算を減らすことができる⇒軍事費減少につながる

 

◆日本、アメリカは

共同開発(エネルギー)や共同体(ARF)などの面での協調や経済交流を行うことで

その後中国の軍事費の減少をねらうべき。

 

 

<村田先生・森先生からのコメント>

 

日米強硬班・日米協調班のそれぞれの発表・議論の後に先生方からコメントをいただきました。

 

◆村田先生

・協調の程度はどのくらいであるかも議論していかないといけない

・時間軸的な協調・強硬も考えるべきである

 短期的/長期的に見てると協調or強硬

 また、どの分野での協調or強硬が可能か、それは長期的か短期的か…など

 

◆森先生

・中国の見方が重要になる

  中国の軍事費UP→強硬路線へ ⇒ 日米はバランシングをする可能性が高い

  中国の軍事費UP→他国との経済依存が強くなり強硬政策がとれない ⇒ 日米協調

中国が①②どちらの行動を起こすかが分からない

 →ルール(国際法など)を中国が受け入れる場合⇒②ではないか

             中国が受け入れない場合⇒①なのではないか

  

*ルールはリトマス紙になりえる

 ルールは中国がどのように行動していくかという判断基準として重要なもの。

 もし、そういう基準がない中で中国が自由に台頭していった場合、

 中国に対抗する理由(正当性)が失われてしまう。