厚木基地シンポジウム パート3

ゼミ合宿で忙しかったということもあり、ほったらかしにしちゃいましたショック!




パート3では、講演終了後のイベントについて書きます。







講演終了後は、厚木基地の60周年記念式典が行われました。

これは60年前の厚木基地開基地式典を再現しようというものです。




会場をでるなり、シャトルバスにでるなりだだっ広い芝生のグランドには、数十人のブラスバンドと40~50人の制服姿のアメリカ海軍の方々が厳かに整列していました。





この式典では同時通訳はなかったのですが、部隊名を読み上げた後に部隊の到着を合図するブラスの短い演奏をするということを繰り返し、全部隊の到着を確認するとここ厚木基地で日米同盟の維持のための任務を全うすることを再確認していました。






所属部隊読み上げに対して、サーベルで合図している様子。




式典が終わると、レセプションが行われました。






ルース大使のスピーチがここでとり行われ、日米同盟における日米の連携を強めていく必要性などを話されていました。




立食でのレセプションでしたので、ここに居合わせた人々と自由に交流を深めることができました。




自分・・・英語がからっきしダメなので、アメリカ軍関係者に話を聞くことは早々に諦め・・・




海上自衛隊の方々から自衛隊の現状について、質問を投げかけてみました。




Q.「厚木基地で日米の合同訓練は実施されているのですか?」

A.「厚木ではしていません。というのも、アメリカ海軍と厚木基地海上自衛隊の航空集団では、担っている任務の目的が異なるために、共同での訓練が不可能だからです。アメリカ海軍は空母ジョージワシントンを使って、攻撃的な任務を想定しています。しかし我々、海上自衛隊の航空集団では対潜哨戒機を使って、シーレーンの安全確保であるとか、不審船などの領海侵犯を監視する任務に就いております。海上自衛隊にはアメリカ海軍を支援することが期待されていますが、それは直接敵の艦船を攻撃することではなく、敵の艦船を発見してそれをアメリカに伝えることにあるからです。

Q.「航空自衛隊がアメリカの空母の支援的な役割を果たすということはあるのでしょうか?」

A.「アメリカの空母の役割は、パワープロジェクションといういいかたをしますけど、近海に出ていくだけでも抑止の効果をもちます。

航空自衛隊の主要任務は、敵国機の迎撃にあります。F15(航空自衛隊の主力戦闘機)は制空戦闘機といって、日本の領空における航空優勢を確保する任務がメインです。一方アメリカの空母艦載機は、領海侵犯した船を相手にしています。このように目的が異なるので、なかなか共同というわけにはいきません。」

Q.「対潜哨戒機のP3Cがどのように不審船や潜水艦を探しているのか具体的に教えてください」

A.「まず、潜水艦というのは水の中にいますから、見えないんですよね。目で探すというのは、まず無理ですね。でも広い海にいる潜水艦を探すというのは、湖に落とした指輪を探すようなものです。見つけるのは非常に困難ですね。しかし、あらかじめどのあたりに落としたという情報があれば、探す範囲を絞ることができます。海上自衛隊においては偵察衛星であるとか、付近を航行している船が潜水艦がいたのを見ましたとかいう情報を頼りに、探す範囲を特定します。P3C一機があれば、四国ぐらいの海域であれば監視が可能です。方法としては、ソノブイっていう、一種の魚群探知機をP3Cから海上に落として索敵をすることにはなりますが、それも全く手掛かりのない海域を探すというのはお金も時間もかかってしまいます。日本の海岸線がものすごく長いのでそれを全部カバーしようとなると、情報が頼りになるわけです。

Q.「海上保安庁と海上自衛隊のすみ分けとはどのようなものですか?」

A.「基本的に海上自衛隊は海上偵察権がないので、はっきりいってなにもできません。なにかあったら、正当防衛・緊急避難あたり対応しかできません。海上警備行動などが発令されない限り、我々にはなんの権限もありません。」




次はソマリア派遣に携わった方の話を聞きました。

「実は、日本近海での哨戒任務よりもソマリアでの海賊監視の方が搭乗員としては楽です。海賊船は潜水艦と違って目に見えますからね。海賊がロケット砲を持っている可能性もありますが、ロケット砲の射程範囲外(高度1000メートル以上)を飛行していれば、安全上の問題もありません。もし海賊船を発見すれば、各国に通報して対処する必要があるのでそういったところでは少し任が重いかなとは思いますけど。

 普段の訓練は、戦術航空士といってコンピューターを使って作戦行動を組み立てる人の訓練や、もちろんパイロットの訓練も行っています。」




レセプション会場にいたのはほとんどが紺色の制服を着た海上自衛隊の方でしたが、緑色の制服を着た陸上自衛隊の方を発見。この方からも話を伺うことができました。




Q.「どちらの方ですか?」

A.「私は木更津駐屯地に配属されています。木更津にいるのは、ほとんどが陸上自衛隊のヘリコプター部隊なのですが、日米地位協定の関係でアメリカの基地を我々陸上自衛隊が借りて使っているという状態です。」

Q.「しかしアメリカはほとんど使用していないんですよね、なぜアメリカはそこを手放そうとしないんですか?」

A.「手放すことはないでしょうね。木更津駐屯地には1800メートル級の滑走路がありますし、整備場もあります。つまりアメリカは、故障した飛行機を修理するために、東京湾からも近いという地理的に便利な木更津を保持しているのです。ほとんど我々陸上自衛隊が使用していのには変わりありませんが、いまだに訓練を行うときにはアメリカ軍に対して、基地使用計画書というのを提出している状態です。」







さすがは自衛官。お話を伺うと技術的な話が多かったですね。アメリカ軍の方にしろ、海上自衛隊の方にしろ、いかに自分の任された任務を全うできるかを重点に考えており、いざというときに自分たちはどこまで行動するべきかは政治の決めることだ、というスタンスが垣間見られました。仕事ですから、それは当り前の態度でしょう。




しかしそうした技術的な話を掘り下げていくと、自衛隊がどれほど日本の政治目標に応えられるかというのは、自衛官が現場でなにを感じているかに拠るのではないでしょうか。




軍事を語ることにアレルギーを感じる人が非常に多いですが、それではバランス・オブ・パワー理論にとって肝心なパワーがどれほどかをしっかり見ていないことになります。




もちろん軍事的知識だけでは、すべては決まりません。脅威となるパワーを持つことと、そのパワーを実際に使うのとでは段階が違うからです。残念なことにそうしたことに無頓着な軍事評論家がむやみに対外脅威を煽る現状は、ただでさえ軍事アレルギーの強い日本を一層軍事アレルギーにしています。







問題は、いかに軍事と政治をバランスよく論じるかです。




厚木基地50周年記念ということもあり、日米同盟を批判的に論じる場面がほとんどなかったのは少々残念ではありましたが、中国や北朝鮮の行動をいかに冷静に眺めることができるか、いかに冷静に対処することができるか?というのが東アジア安定における大事なポイントではないでしょうか。ラセットが民主平和論で語ったように、民主主義には戦争のコストを増大させるための仕組みがあります。その仕組みを最大限生かすには、国民が脅威に敏感にならないことが大切です。




締め方がわからず、観念的な話をしていしまいました。そこに反証可能性をもたらすためのものさしが必要ですね(笑)




以上、 1万1千字を超えてしまいました(笑)

読んでくださったかたありがとうございます。


厚木基地シンポジウム パート2

江本です。

 

 

 

 

さて今回の目玉である、

 

小谷哲男先生の『東アジア情勢概観』スピーチ全文の紹介

 

と僕なりの所感を書きたいと思います。

 

 

 

 

(細字、小タイトルは僕の文です)
●東アジアの今

 

 

最近の出来事を見ていますと、ひとつ明らかなのは我々の住んでいる地域というのは非常に危険な地域であるということがいえると思います。アジアはめざましい経済発展を遂げており、世界の成長センターという機能を果たしていますが、たとえば先週北朝鮮が韓国の島に砲撃を行ったように、武力紛争につながりかねない様々な問題がこの地域には起こっています。

 

 

 

 

そのひとつの例が、今年の三月に起こりました、韓国の哨戒艇天安撃沈事件です。今年3月26日の夜、韓国海軍の哨戒艇天安が黄海の北方限界線近くで突然大爆発を起こし、沈没。104名の乗組員のうち、生き残ったのは58名だけでした。

 

 

 

 

当初から北朝鮮の関与が疑われましたが、北朝鮮がこれを一貫して否定しています。その後韓国が組織した国際調査団の報告により原因は北朝鮮潜水艇から発射された魚雷による爆発と断定されましたが、この調査自体に2カ月かかりました。この調査のあと、韓国が国連安全保障理事会に問題を提起した頃には、国際社会はもちろん、韓国国内においてさえ強硬な報復措置を求める声は弱まっていました。こうして北朝鮮は、魚雷という非対称攻撃によって報復を受けることなく自らの政治目的を果たすことができました。

 

 

●中国版天安号事件のシナリオ

 

実はこの天安事件を予測するようなシナリオが、昨年度末アメリカの海軍大学の教授によって書かれています。今日はそれをまずご紹介したいと思います。

 

 

 

 

このシナリオは横須賀を拠点とする原子力空母ジョージ・ワシントンが2015年のある日、東シナ海をパトロール中に突然中国の対艦弾道ミサイルの攻撃を受け、80機の艦載機および5000名の乗組員と共に東シナ海の海中に沈んでいくというものです。

 

 

 

 

このシナリオは、次のように展開していきます。

 

中国は直ちに攻撃を否定します。否定しつつ、ジョージ・ワシントンの乗組員を(中国自ら)救出する模様を全世界に中継して、世界的な世論を味方につけていきます。米国の報復にそなえ、中国は全軍に警戒態勢をとらせています。

 

一方に第七艦隊は主力である空母を失っておりますので即応能力はありません。そのためアメリカは世界中から兵力を西太平洋に展開しなければなりませんが、米国本土からこの地域に展開するためには3~4週間かかるという事実があります。その間、アメリカは外交の舞台で中国がジョージ・ワシントンを対艦弾道ミサイルで攻撃したと非難しますが、中国は引き続きこれを否定します。中国は逆にアメリカが原子力空母の事故によって東シナ海を汚染している、と糾弾します。

 

一方日本はどうかといいますと、アメリカの報復活動が日本にとっては集団的自衛権の行使にあたるため海上自衛隊は動くことができない、という現状があります。

 

 

 

 

このシナリオが結論づけるのは、約75年に渡った西太平洋におけるアメリカの海軍力の覇権が終焉を迎えるというシナリオです。あまりにも衝撃的な内容のために、このシナリオには当初米中の対決の煽りを危惧する声や、中国がアメリカの空母を攻撃する蓋然性の低さを指摘する批判が

 

ありました。

 

 

 

 

しかしこのシナリオが本当に指摘したかったのはなにかといいますと、中国が対艦弾道ミサイルという非対称兵器と共に、法律・心理・世論を巧みに組み合わせて米韓軍の戦略的機動性、つまり必要なときに必要な兵力を必要な場所に送り込む能力を低下させることができるという問題を指摘しました。

 

 

●中国海軍増強の歴史と今

 

これはあくまで仮定のシナリオですけども、次から現実を見ていきたいと思います。

 

現実はどうか?まずこの地域における中国の海洋進出という問題があります。歴代の中華帝国というのは、基本的に自給自足の大陸国家でありまして、脅威は陸の国境線を越えてくることが常でありました。このため中国はこれまで海洋に関心を示すことは、ほとんどありませんでした。しかし1980年代に改革開放路線のもとで中国は経済発展を始め、一方冷戦の終結によって北方ソ連の脅威から解放されました。これによって現在の中国の海洋進出が本格的に始まっています。

 

 

 

 

中国海軍は80年代に従来の沿岸防衛思想を改めまして、日本列島から台湾、フィリピン、南シナ海にいたる「第一列島線」。さらには小笠原諸島、グアムを結んだ「第二列島線」での敵対勢力の接近を阻む、近海積極防衛を目指すようになっていきます。特に第一列島線は、中国の海岸線から200海里の距離にあり、台湾を統一しない限り中国はこの第一列島線によって封じ込められているということになります。

 

 

 

 

1996年の3月台湾海峡危機で、アメリカは二個空母戦闘群を台湾近海に派遣しましたが、これによって中国はこの第一列島線によって封じ込められているという現実を再認識することになりました。

 

 

 

 

このため中国は現在、この二本の列島線に敵対勢力を侵入させないために水上艦や潜水艦、戦闘機や爆撃機に加え、ミサイルや機雷、衛星破壊能力、サイバー攻撃能力というアクセス拒否(A2)能力を本格的に高めています。

 

 

 

 

今年の4月に沖縄本島と宮古島の間を一隻の中国艦船が通りましたが、そのときに中国のヘリコプターが海上自衛隊の護衛艦に異常接近することがありました。またこの夏以来続いている、米韓合同演習でジョージ・ワシントンが黄海に入ることを、極端に嫌がっているということがあります。また、最近ありました尖閣沖における漁船衝突事件、これらが示すことは中国が第一列島線の内側をあたかも自分たちの領海のように見なしているということであります。

 

 

 

 

第一列島線上にある、在日米軍基地は中国の海洋進出をけん制するうえで、特に重要であります。また中台関係が劇的に改善し、極東における有事の際に台湾が中立を保つ可能性が高いことから、厚木を含む在日米軍基地の重要性はますます高まっているということがいえます。

 

 

●北朝鮮問題

 

次、朝鮮半島に目を向けますと北朝鮮の脅威というのは明白であります。朝鮮戦争は終結しておらず、停戦状態にあるだけで、まだ緊張状態というのは続いています。最大の問題は北朝鮮の核ミサイル開発です。北朝鮮にとっては、体制の維持こそが最大の目的であり核保有というのはそのための手段であります。特に北朝鮮は、指導者の移行期にありキム・ジョンウンの権威を高める為に、対外的に強硬姿勢をとることが今後も予想されます。

 

 

 

 

天安号事件と先週起こった砲撃事件はその表れではないか?ということがいえます。在日米軍基地は、北朝鮮に対する抑止の不可欠な要素であるということがここでも指摘できます。

 

 

●ロシア問題

 

それからもうひとつロシアの問題があります。

 

ロシアは90年代の経済的な停滞を乗り越え、資源大国として復活しつつあります。それにともなって軍事活動も活発化しています。ロシアの航空機や監視船によるパトロールは常態化し、今年の夏には北方領土で初めてとなる大規模な軍事演習を行いました。また尖閣での漁船衝突につけいるかのような、メドヴェージェフ大統領の国後(くなしり)訪問もありました。

 

 

 

 

ロシアはもはや我々の敵ではありませんが、経済的に重要なアジアにおける影響力を拡大するために、軍事力を後ろ盾とした強硬姿勢をとることは否定できません。ロシアが地域の不安定要因として復活することのないように、強固な日米同盟が必要であるといえます。

 

 

 




●人道支援・災害救援の重要性

 

それからもうひとつ従来の軍事的な話だけではなくて、新しい問題も我々は考えていかなくてはなりません。そのひとつが人道支援・災害救援です。

 

 

 

 

ある統計によれば、全世界でおこる大規模災害の7割がこの地域(東アジア)に集中しています。各国の軍隊にとって、人道支援と災害救援は戦闘任務と同じくらい重要になってきています。たとえば米海軍と海上自衛隊は、今年「パシフィック・パートナーシップ」という人道支援プログラムで協力しています。人道支援と災害救援では、空母とその艦載機は大きな役割を果たすことができます。実際2004年にインド洋で起こった大津波の際には、米海軍空母リンカーンが多国籍救援部隊の司令塔をつとめています。

 

 

 

 

この人道支援・災害救援はまた、地域諸国との信頼醸成を行ううえでも重要なツールであるということがいえます。

 

 

●結び

 

日米同盟のもとで、アメリカは西太平洋からインド洋にいたる海域での戦略的機動性を確保し、日本に対する拡大抑止と海上交通路の確保を担保してきました。日米両国にとって、この同盟は中国の台頭との均衡を図り、その平和的台頭を保証する重要なツールであります。また北朝鮮の無謀な冒険主義を抑えるうえでも、不可欠であります。強固な日米同盟がこれまで地域の安定と繁栄を支え、周辺諸国に安心を与えてきました。

 

 

 

 

今年は日米同盟の50周年でありましたが、その重要性は今後を一層増していくと考えられます。

 

 

 

 

以上です。

 

 

 

 

 

 

 

所感

 

 アメリカは大西洋と太平洋に囲まれた世界随一の海軍国家です。そのアメリカがもともと陸軍国家であったはずの中国の、海軍国家化に強い危機感を抱いているということに時代の変化を感じます。さながら近代ドイツ帝国のヴィルヘルム2世が大英帝国に対して行った「建艦競争」に似ていると思います。「海上権力史論」を著してアメリカのフィリピン植民地獲得の動機を与え、シー・パワーの確保を主張した地政学者のアルフレッド・セイヤー・マハンという人がいます。この学者の有名な主張に、「海洋国家は大陸国家を兼ねることは出来ない」というものがありますが、中国はこの主張の反証例とならんとして行動しているかのようですね。

 

 個人的に衝撃的だったのは、空母一隻の沈没で第七艦隊の機能が本格的に麻痺してしまうという点です。普天間基地問題を扱ったときに、いやというほどアメリカが『即応能力』の確保に敏感になっているという事実をみてきました。しかし海の上を進む海軍というのは、他の地域に展開するために必要な時間が空軍と比べ大幅にかかってしまいます。

 

いかにアメリカ軍が強大であろうとも、必要なだけの軍事力を作戦地域に展開するには「距離と時間」の問題がついてまわるのです。

 

中国有事の際には、中国中枢部に向けて駆逐艦と戦闘機による共同でのミサイル攻撃を行う(エア・シー・バトル構想)ことで瞬時に中国の戦力を無力化するという攻撃プランを立てていますが、それも空母の存在あってのものです。

 

 引き続き、日本は持ち前の監視能力を以ってしてアメリカに必要な情報を提供をしつつ中国の動きに対処しなければなりません。

 

 ただ当然のことですが、日本はアメリカがいくら損害を被ろうともなにも行動できません。これが土壇場での日米同盟のなんらかの悪影響を及ぼすことも十分にあります。

 

 中国が現状打破国家として、しかるべき強硬的行動をとった場合、日本は片務的な日米同盟を見直す必要に迫られるというのも十分に考えるべきであると思います。

 

 もちろんそうならないために、平和的台頭させることを前提にして外交を続けていかなくてはなりません。

一方で災害救援においてもアメリカの軍事力が有効活用できることは、東アジア諸国家同士の相互依存状態を高め、戦争へのリスクを高めるという楽観的な見方につなげることができるかもしれません。しかし、本当に災害救援がこれからの東アジアの協力関係の発展に寄与する可能性があるといえるのでしょうか?四川省の大地震の例のように、救援を受け入れる側の中国の姿勢しだいで救援活動が制限されてしまうという現実があったことを思い出さなければなりません。
なによりも、ジョージ・ワシントン沈没のシナリオに「中国の救援活動」というのがあったことも、重要です。中国にとって救援活動は、対外的な世論を味方につけるための道具に使われてしまう危険性をはらんでいます。


最終的に問題になるのは、台湾問題であると自分は考えます。
もし台湾有事が起こった際に、日米は台湾関係法を無視してでも日本へと戦火を拡大させないために戦況を傍観することもひとつの選択肢と考えられるからです。これを中国を刺激しないしたたかな行動と見られるか、弱腰と見られるか・・・恐らく後者だとは思いますが・・・中国の軍事力は一筋縄では対抗できないとアメリカが考えている以上、土壇場でギリギリの選択がなされるのは間違いないと思います。

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厚木基地シンポジウム パート1

江本です。先日12月1日に、




米海軍厚木航空施設開設60周年記念シンポジウム

「日米同盟と米海軍厚木基地航空施設―東アジア情勢を見据えて」





に参加してきました。森ゼミ全員参加のはずが、主催者側の意向で3人という人数制限がかかり、森先生も論文作成のために参加でされないということで、

結局加藤と二人での参加となりました。




知識の確認が今後できるように、暇人らしく(笑)、詳細な報告にしたいと思います。







●そもそも厚木基地とは

講演内容の報告に入る前に、厚木基地の概要から説明したいと思います。




(講演中にも厚木基地の概要が紹介されていましたので、そこで紹介されていたことと織り交ぜて書きたいと思います。)




・厚木基地の所在地

神奈川県は綾瀬市。相鉄線さがみ野駅から徒歩20分ですかね。

予想以上に、歩かされるので疲れました・・・




相鉄線さがみ野駅は、都内からだと品川からJRで横浜へ。横浜から相鉄線海老名行に乗るのが便利かと思われます。







さて、いきなり余談なんですが実は厚木基地と厚木市には地理的関連性がありませんね。基地の敷地は綾瀬市と大和市をまたいでいます。はっきりとした定説はないんですが、一説によると綾瀬という地名は足立区にもあるのでややこしいということと、

大和という名称は、戦艦大和や奈良県の地名を連想させるので却下になった。そこですでに知名度の高い地名であった厚木が選ばれたそうです。




・厚木基地はどのような目的を持つ基地か?

厚木基地の特徴はなんといっても、日米共同利用の基地であるということです。米海軍と海上自衛隊が使用しています。

日本の海上防衛の一大拠点というわけですね。




アメリカ海軍

第七艦隊直属のヘリコプター部隊と

横須賀に配備されている空母ジョージ・ワシントンを母艦とする

第五空母航空団の戦闘機部隊

が配備されています。




第五空母航空団のロゴ

CVW-5-Insignia.JPEG 


「空母ジョージ・ワシントン」という言葉にピンと来た方もいるんじゃなんでしょうか?そう、11月28日~12月1日まで黄海で実施された米韓合同軍事演習に参加していました。つまり、厚木基地のアメリカ軍のほとんどは米韓合同軍事演習に出払った状態だったわけです。




空母ジョージ・ワシントン

USS George Washington




 

◆米海軍の現状と基地問題
「横須賀基地の空母の戦闘機部隊が厚木基地に所属している。」

この現状からうかがえるのは、




空母に積まれた飛行機は、空母に乗せっぱなしではないのか?そうではありません。

空母が港に入るときには、艦載している飛行機をすべてカラにした状態で入港します。

空母の重量が重いと、港の海底に乗り上げてしまう危険性があるからです。

そのためにアメリカ海軍の運用には、港湾基地とセットで「艦載機が降り立つための飛行場」を近くに設置している状態が整っていなければなりません。




神奈川の横須賀基地は厚木基地とセットで存在しているわけです。

厚木基地の騒音対策として、厚木基地の航空部隊の一部岩国移転が予定されています。これはつまり、ジョージ・ワシントンで洋上展開する際に、岩国移転後の航空部隊は山口県からはるばる神奈川県横須賀にまで飛ぶという無駄が発生するわけです。

それをあえて受け入れるアメリカの姿勢を日本は理解しなければ、建設的交渉はなされないことでしょう。







日本の海上自衛隊

海上自衛隊の飛行機部隊は「航空集団」と呼ばれています。

その司令部がここ厚木にあるのです。

厚木に所属している航空集団は

・日本近海の監視任務を担う第四航空群

をはじめとして、

・整備部隊(第4整備補給隊)

・パイロット養成部隊(第51航空隊)

・海上救援活動を行うヘリコプター部隊(硫黄島航空基地隊)

などで構成されています。
海上自衛隊の航空部隊の主力は、なんといっても対潜水艦哨戒機(哨戒機とは、領域侵犯がないか監視する飛行機のことです。)です。強力なレーダーやソナー(潜水艦は魚群探知機を使って捜索します。)を使って、冷戦中はソ連海軍の動きを、最近は中国海軍の動きなどを監視しています。
・厚木基地の歴史

『岡崎研究所特別研究員 小谷哲男先生 のスピーチ』



●戦後厚木基地の始まり

戦後の日米関係というのは厚木から始まりました。1945年8月30日にダグラス・マッカーサー将軍がここ厚木に降り立ったときから戦後日米関係は始まったということがいえます。戦後アメリカ陸軍が厚木を接収しますが、1949年まで厚木は事実上閉鎖された状態になっていました。それが1950年の朝鮮戦争の勃発によって、厚木基地の重要性が再確認され、60年前の今日(1950年12月1日)、米海軍がこの基地を引き継ぐということになっています。つまりこの厚木基地というのは、この地域の安全保障の問題と密接にリンクした状態で、生まれたということがいえます。

 

●もうひとつの転機。冷戦期の厚木基地

もうひとつの厚木基地における転機というのは、1973年でした。1973年に横須賀が空母ミッドウェイの母港となり、ミッドウェイの艦載機が厚木を拠点とするようになります。また同年1973年に、海上自衛隊の航空集団司令部が厚木に併設されています。これによって米海軍空母艦載機部隊の基地であると同時に、海上自衛隊の航空部隊の基地という位置づけが厚木に生まれます。冷戦期、この厚木基地がどのような役割を果たしたかといいますと、1970年代以降旧ソ連はこの地域に100隻の水上艦、140隻の潜水艦、そしてバックファイア(Tu-22M )と呼ばれる爆撃機、さらにはSS-20という核ミサイルを配備していくようになりました。それに対してアメリカの方は、もしもソ連が西ヨーロッパに対して大規模な侵攻を始めるならば、即座に西太平洋地域においてアメリカの圧倒的な海軍力によって極東ソ連軍を攻撃する、という二正面作戦をとります。これにおいて、ソ連が万が一西ヨーロッパで戦端を開くならば、ソ連はヨーロッパだけでなく太平洋でも戦わなくてはならなくなる、というに正面作戦を強いることになります。そのなかの中心的役割をになったのが、横須賀に配備された空母機動部隊、そしてその艦載機であり、これらが(対ソ抑止に必要な)打撃力を提供しました。

そしてもう一つのカギは空母機動部隊を守る楯が必要だったんですけども、それを提供したのがまさに自衛隊であったということです。それは、空母というのは潜水艦に対して脆弱であるために、対潜水艦作戦というのが非常に重要になってきます。それを担ったのが厚木を司令部とする海上自衛隊の「航空集団」であったということになります。つまり、米海軍が攻撃的な役割を担い、海上自衛隊が防御的な役割を担うことによって、冷戦というのは熱戦になることなく終わったということになります。この(アメリカの)空母艦載機部隊と海上自衛隊の航空部隊をポストしている厚木の役割は大変重要であったということができます。

 

●冷戦後の厚木基地

日においても、この厚木の役割は決して低下することはありません。むしろそれは増しているといえるかもしれません。この地域には様々な問題が残っていおりまして、そこのおいては依然としてアメリカ海軍の空母戦闘力というのが重要な役割を果たしております。そのために、この空母機動部隊を守る役割を担う自衛隊の役割というのが非常に重要となってきます。中国はアクセス拒否能力を展開しておりまして、メインターゲットはアメリカ海軍の空母であるということは明らかであります。しかし、このアメリカ海軍空母が攻撃的な役割を担い、自衛隊が防御的な役割を担うという組み合わせが続くかぎり、この地域の安定は守られていると私は考えます。今日みなさんがご覧になる機会があるかどうかわかりませんが、厚木の滑走路にあります「第五空母航空団」のハンガー(格納庫)には”tip of the sword(剣の先)”というスローガンが掲げられておりますが、まさにこの空母艦載機部隊というのは真っ先にこの地域で何かがあった時に攻撃力を提供するという非常に重要な役割を担うわけです。そして厚木基地は”tip of the sword(剣の先)”の状態を常にベストな状態に保っていくための役割を担っています。私の方からは日本に住んでいる一員としてまして、厚木基地の地域周辺のみなさま、自治体のみなさま、それから米海軍のみなさま、自衛隊のみなさまに感謝を申し上げて私からの発表を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

小谷先生は、繰り返しアメリカ海軍がいかに空母を主力として活用しているかを述べていました。日本が盾の役割を果たすためには、日本がもつ監視能力が必要だということです。それは冷戦期も今日もかわりません。平時においても戦時においても、日本の国益を脅かそうとする国の軍は、いかにすがたを隠して相手に対応行動をさせないかを念頭において行動します。これは世界最強の海軍力をもつアメリカにおいても、日本がもたらした情報なしには作戦行動を執れないということです。ここに日本の果たせる役割というのが明確になっていました。

 

パート2に続く・・・


11/17 ゼミ C班発表

C班はThomas Risse-KappenのCollective Identity in a Democratic Community: The Case of NATOという文献について発表を行いました。

まず問題の所在は
・なぜ第二次世界大戦後超大国だったアメリカはNATOに加わったのか。
・なぜNATOの協働パターンは冷戦後も発展したのか。
・なぜNATOは冷戦後の安全保障機関の中で最も強力なものなのか。

・リアリズムとNATOの起源
構造的現実主義への批判
構造的現実主義=国家はバンドワゴンよりバランシングを選択する。
→西欧諸国はアメリカではなくソ連と同盟を形成することになる。

脅威均衡論への批判
脅威均衡論=①総合力・地理的近接性、②攻撃能力 ③攻撃的イデオロギーを重視
→①アメリカの政策決定者が自国が防御的立場にあると考えていたことになる。
③リベラリズムでより明確に説明可能。

・リアリズムとNATOの協力パターン
構造的現実主義への批判
構造的現実主義=小国の同盟への貢献は不可欠ではない。
→冷戦時もヨーロッパの同盟国はアメリカの外交政策に影響を与えていた。

・リアリズムとNATOの耐久性
構造的現実主義=「冷戦後、NATOは消えてゆくだろう。」

つまり結論は、同盟理論としてのリアリズムはNATOの起源、相互作用パターン、耐久性を説明するのに不確実である。

次はリベラルコンストラクティビストのアプローチ
=制度的制約、規範を重視

これらによって
・民主主義同士はお互いを安全だと認識する。
・それらの国は多元的安全保障コミュニティを結成する。
・それらの国は障害を乗り越え協力し同盟のような国際組織を結成する傾向にある。

つまり組織内の相互関係を規定している規範によって民主主義の価値観が共有され、国内に似たような政策決定規範が生まれる。

つぎにNATOの起源のリベラル的説明
・NATOは西欧と東欧での米ソの行動が脅威となり、大西洋の安全保障共同体として組織された。
・民主主義の原理と意思決定ルールを基礎とした組織の多角的な性質は、共通の価値と集団のアイデンティティをもたらした。

結論は
・多国間主義の規範と協同の意思決定は、アメリカの覇権を覆っているきれいごとではあるが、一方で国際的な関係を形作った。
・ヨーロッパの安全保障に関するNATOの決定は、たかが国内の関係として概念化することが出来ないと言うことを示している。それよりも相互作用のパターンは脱国家、脱政府の同盟形成のプロセスによって影響を受ける。


続いては具体的な事例です。

スエズ危機
・スエズ危機によって、関係を統治する基本的な規範が侵略されるとき、会談や実行(行動)について理想的(リベラル)な期待が持てると確信した。
・同盟国缶のコミュニティの意味、目的を危うくするような規範の侵害はコミュニティの対立、衝突、回復に導く相互作用を理解する鍵を提供する。


キューバ危機
・海上封鎖、非侵略誓約、ミサイル交換の秘密外交は完璧な合理的決定であった。(しかし、合理的な決定の説明は同盟の内容を考慮しなければ、明確でない。)
・同盟共同体は国内と同盟政治の区別の不足を説明する。
・キューバ危機の間、アメリカは評判と信頼性において危うくなったが、このような心配は従来の同盟理論に基づくより、集合的に共有した価値を基礎とした安全保障共同体の枠組みの中でより理解することが出来る。


最後に、“NATOの特徴とは何か”ということが書かれています
(筆者はNATOのことに対してリアリストが、十分な説明が出来ていないことに基づいて、論じている)
・北大西洋同盟(North Atlantic Alliance)は多元的に組織された安全保障共同体を象徴している
・民主主義国家は互いに戦争をしないだけでなく、集約化されたアイデンティティ(collective identity)の発展にも努める。
・組織は規範や法律によって特徴付けられる。つまり、規範や法律を制定することは共同体の特徴やそこに属す人々の集約化されたアイデンティティを強めることになる。


11/10ゼミ 構造的リベラリズム

今週から、それぞれ3班が英語文献にあたって

同盟の理論を発表してます晴れ

我らB班は

【構造的リベラリズム】について発表しました。

“The nature and sourse of liberal international order”
DANIEL DEUDNEY and G.JOHN IKENBERRY

『リベラルな国際秩序の性質と起源』を参考にしました。

この論文では、冷戦終結後の同盟関係はどう説明するのか?とゆう問いから始まります。

リアリズムだと…
①バランスオブパワーの観点→同盟というものは、ソ連の脅威に対抗するための協調である。
⇒冷戦が終結すれば、西側における安全保障構造が衰退…
⇒同盟関係は亡くなり、戦略的対抗関係へと戻る
  と予測できます。
②覇権理論の観点→アメリカのパワーが、他国が同盟に参与する理由である。
⇒アメリカのパワーが衰退すれば、西側では戦争が起きる
  と予測できます。

しかし、①②にはたくさんの見落としがあり、
西側にはあまりにも多くの合意や相互関係が存在するため、
単純にバランシング(BOPの観点)や覇権理論で説明することができないのです。


そのいい例が日本やドイツのような、不完全な主権をもつ、準大国!

リベラリズムも、貿易国家論や、多元的安全保障共同体理論や複合的相互依存論など…確かに、リアリズムよりも楽観的に同盟という概念を説明しようとしていますが、

筆者はそれでは不完全であると述べています。

そこで、出てきたのが

構造的リベラリズムです。

構造的リベラリズムとはなんぞや?とゆうことで、

構造的リベラリズムの特徴を、ネオリアリズムと比較しながら説明します。

※以下「NR=ネオリアリズム」

①安全保障の相互依存:アナーキーのダイナミクスを緩和する役割。
 ⇔NR:バランシング:各国の自動的自律の維持

②浸透した相互覇権:接近を通して、正統性を増進させ、また意思決定を共有する
 ⇔NR:強制的な覇権:公共財を供給し、秩序維持する

③不完全な主権を持つ、準大国:やっかいな国を組み入れるメカニズムがある
 ⇔NR:完全な主権と大国:国を導くことで構造を管理する

④経済開放生:相対的な利潤を利用し、相互依存をつくる
 ⇔NR:自足自給:依存をさけ、軍事的な動員能力を維持する

⑤市民のアイデンティティ:戦争を加減し、統合を容易にする
 ⇔NR:国家のアイデンティティ:国家の一体性と正統性と相互依存を強化する

といった感じでした。

やっぱり英語文献わ難しい!

次回までの課題は、

【リベラル国家と非リベラル国家の間でsecurity co-binding(安全保障の相互拘束)は可能なのか。 ①理屈 ②事例をあげて考えてくること】

です。

でわ。

鵜飼


10/13公開ゼミ~普天間基地移設問題

一年生のみんな~、先日はたくさん来てくれてどうもありがとう!! まだまだ選ぶ時間は残されてるからじっくり決めてくださいね。

そしてご縁があれば、森ゼミにぜひ・・・(笑)

今年の公開ゼミは専門用語のオンパレードで難易度MAXでした(汗)
今回の公開ゼミが意味わかんなくても、全然平気です(笑)今回の公開ゼミの形式はイレギュラー中のイレギュラーですから!
ゼミ生としても、普天間問題は一つのチャレンジだったので、ゼミ生の限界がよく見えたんじゃないでしょうか?
「やっぱり森ゼミすごいな・・・」とか
「案外、詰まったりするのね(笑)これぐらいが丁度いいかも!!」とか
思ってくれたことと思います。大々的に公開ゼミをやっていないゼミも多くあるので、いい参考基準になったと思ってもらえれば幸いですにひひ
というわけで、おさらいをしてみましょう。
意味不明なところが、すこしでもなくなればと思います!!

まず、「普天間基地移設問題」っていったいなんのことですか?って話からです。
・1995年9月 米兵による少女暴行事件
小学生の女の子が海兵隊員によって、暴行を受けるという事件が発生。しかも犯人である海兵隊員への起訴は日米地位協定の定めによって、実現しませんでした。そう、被害者やその家族は泣き寝入りせざるを得なかったわけです。これに腹をたてた沖縄県民は大規模な抗議集会を実施。

ポイント!~日米地位協定~
沖縄で犯罪を犯した米兵は日本の警察に捕まらない限り、アメリカの法律で裁かれるという協定です。米兵は軍法会議にかけられるので、日本国法に比べて非常に罪が軽く、被害者の人権を無視したものといえるでしょう。実際に犯罪を犯した米兵は、地位協定の優遇を受けるために急いで基地に逃げ込むということまであります。

反基地感情が高まり、このままでは日米同盟が崩壊しかねないと感じた日米両政府は・・・
・1996年 宜野湾市にある普天間基地を沖縄に返還することを合意した。

ポイント!~なぜ普天間基地に話が移った?~
普天間基地は沖縄県宜野湾市の中央に位置する海兵隊の飛行場で、住宅密集地にある為騒音問題、事故の際に安全に緊急着陸できる場所がないといった問題を抱えていました。沖縄県民の不満の大きな地区の一つだったので、なんとか普天間基地の状況を変えなければ!という話になったわけです。
ここで問題なのはアメリカは普天間基地を返還するが、かわりに新しい飛行場を日本に用意してもらうことを要求したということです。
この新しい飛行場の場所が決まらない・・・これがまさに普天間基地移設問題です。

2006年 辺野古案成立
時は自民党最盛期の小泉時代。96年の返還合意から10年かけて(ここですでに10年かけて!!)移設先をいくつも検討した結果、名護市の辺野古に決定。
これから環境アセスメントの調査が始まります。

・・・しかし、それからというものの・・・
辺野古案は辺野古の海を埋め立てて作る飛行場なので、サンゴを殺してしまいます。その他絶滅危惧種であるジュゴンの生息地であるために、環境調査を妨害する人たちが出てきて調査は難航してしまいました。調査を終えなければ工事に取り掛かれないと法で定めているので、ズルズルと時間だけが過ぎていったわけです。

そう、辺野古案は騒音対策と引き換えに甚大な環境破壊を行わなければならないのです。

日米関係において、騒音と環境はどちらにウエイトが置かれるのでしょうか??

2009年 鳩山民主党成立 普天間基地の県外移設を主張
しかし、有力な移設先を見つけられなかったのはみなさんもご存知のとおりです。

2010年5月
辺野古案で日米合意成立。

しかし普天間問題が日本中でクローズアップされてしまった以上、辺野古に立ち返るというのは本当に正しい選択なのでしょうか?

それでは

4班それぞれの立場の確認です。
沖縄県班
・沖縄は日本の国土のわずか0.6%しかないのにも関わらず、在日米軍施設面積の割合は7割を超える。
→沖縄に負担をかけすぎている。負担の正当性がない。

・米軍のヘリコプターや飛行機の騒音で、深刻な健康被害が報告されている。

・米軍の犯罪と地位協定は改善を図るべき問題だ。

・現行案の辺野古には絶滅危惧種のジュゴンが生息しており、美しいサンゴ礁もある。埋め立てによる環境破壊は深刻である。
県外移設を主張する!!

日本政府班
・日本は憲法第9条で、自衛力しか持たないことを定めています。つまり日本に武力行使をする国が現れた場合のみ、日本は自衛隊を国防の為の武力として出動させるわけです。しかし現実には、自衛の為の武力行使だけでなく報復ができなければ国家の安全保障は成り立ちません。「やったら、やりかえされてかえって痛い目にあうからやめておこう・・・」敵国に戦争をさせないこと=抑止はざっくり言えばこんなスタンスが国家間で共有されていることを指します。つまり日米同盟の場合、在日米軍は攻撃専門、自衛隊が防御専門として戦う準備を整えていることで、東アジアの安定を保っているわけです。
→在日米軍は日本の安全保障上の要である。

・沖縄は今、東アジアで不穏な動きを見せている北朝鮮・中国との有事の際に出動するのに便利な位置にある。(国際政治用語で、軍事・経済などなんらかの要因で政治的に重要である地域のことを「地政学的重要性を持つ」なんていいかたをします。)→沖縄の地政学的重要性

・普天間には現状として、普天間基地周りに住宅地が密集しているせいで、事故・騒音の問題がある。
→辺野古は事故・騒音の問題を解決する
県内移設を主張する!!

アメリカ政府班
・沖縄でなければ、東アジアにおける安全保障、中国・北朝鮮に対する抑止が維持できない。
→県外移設は不可能

・米国政府はこれ以上議論することに関心なし。
→移設先が決まらない責任は日本政府にあるというスタンスです。

・日米合意の迅速なる実施を日本政府に求める
→沖縄班はNO!といってる辺野古案のことです。

県内移設!

アメリカ軍班
・米軍基地は沖縄でなければならない。
→●東アジアの各地域に近い
●飛行場と訓練所が50KM以内にある。
・普天間基地と同等の規模の基地が欲しい
→●現行の辺野古案では、有事の際に必要な面積の40%しかない。(戦争となったら、アメリカ本土やハワイから応援部隊が来ますが、辺野古案では応援部隊を受け入れるだけのキャパがないんですね。)
●1800Mの滑走路は飛行機の使用を想定していない

《ここは技術的な話なので知らなくていいです。どうでもいい人は読み飛ばしてください。》
なんでヘリコプターの飛行場なのに、滑走路の話をしてるの?と思いましたよね?
ここで軍事アナリスト(?)江本の解説♪
在日米軍が2012年から本格的に運用する次世代ヘリコプターはなんと、
飛行機として使えるヘリコプターなんです!

どんな風に飛ぶんですかって?口じゃ説明しにくいので、ユー○ュ○ブでどうぞ(笑)


ヘリコプターはヘリコプターなんですけど、荷物をいっぱい積んでいたら、短い滑走路が必要になっちゃうんです。だから1800Mの滑走路が必要になった。でも、それはあくまで間に合わせで実際に戦争になったら輸送機やら戦闘機やらいっぱいやってくる。そのときに十分な長さを持った滑走路とはいえないんですよ!!
《以上、軍事アナリスト(?)江本のどうでもいい解説終了!!》

以上、アメリカ軍班は
辺野古+アルファを要求する!!

これから日本国内協議とアメリカ国内協議を経て、日米協議(政府の代表同士の協議)を行いました。
んで!2(two)レベルゲームって話をおぼえていますか?
森ゼミブログ-2レベルゲーム解説

よく、国際問題に関して「アメリカはこう思っている、一方日本はこう思っている」という言い方をしますね。でもそれってまるで一国の意思が固まっているかのような印象を受けませんか??
実際はそんなことはありませんよね。
たとえば今回の場合は、
日本政府の目指すところと、沖縄県の目指すところは違うわけです。

だから国同士でなにかを決めるときには国家間「レベル」だけじゃなくて、

国家間+各国内

で議論をすすめる必要があります。国際レベルと国内レベルの二つだから2レベルゲームというわけです。

日常の議論でもそうですが、お互いが納得するためには歩み寄りが必要ですよね。

この歩み寄りにより、お互いが合意できる事項・範囲が一致(この一致のことを『win-set(ウィンセット)』といいます)した場合に新しい物事を決めることができるわけです。

なんで普天間基地移設先が決まらないか?それは日米両政府が譲れない部分が多すぎて、自分から歩み寄るなんてできないし、相手に歩み寄りを引き出すことも難しいから、
というわけです。

さてこれから細かい議論の流れをアップすると、膨大な量になるので、争点をまとめます。

・沖縄県外移設を主張する日本側。しかしなぜアメリカ側はかたくなに県内移設を主張するのか?
○沖縄県外には、飛行場と訓練場をセットで移設できる土地などない。
→ヘリコプター運用の『50KMルール』です。鹿児島県徳之島などは実際に政府で最近取り上げれた案ですが、地元の反対のみならずアメリカ側の反対もあったようです。なぜかというと徳之島は沖縄から200KM近く離れていますが、訓練場は沖縄にあります。もし飛行場を移設しても訓練場も徳之島飛行場の近くに建設しなければ、訓練は引き続き沖縄の訓練場で行わなければなりません。
せっかく沖縄県外に移設したのに、訓練毎に毎日のように沖縄県内に戻ってしまうのでは意味がありませんよね?しかもアメリカ海兵隊が鹿児島から沖縄に飛ぶのは、途中で給油が必要な場合も発生し、なによりも貴重な訓練時間を移動時間で浪費してしまうのでこれは承認できないわけです。

・日米地位協定の改定を迫る日本側。なぜアメリカはそれができないのか??
○現行の地位協定では、日本の警察が捕まえない限り米兵を日本国法で裁くことはできません。これに沖縄県民は納得がいかないのです。具体的には、裁判権の全権移譲を要求しましたね。

さてアメリカ側。
もちろん自分たちに有利なルールは固持していきたいというのもありますが、日米地位協定を変えただけで実は全世界的にアメリカの軍の運用に問題をきたす可能性があるのです。
全世界的に海外駐留軍を派遣しているアメリカ、それは軍の派遣先国との信頼がなければ軍を海外に置くことなどできません。

もしここで日米地位協定を改定したとしましょう。アメリカは同様の協定をあらゆる国を結んでいます。だから軍の派遣先国との信頼関係を崩さないために、他の国とも同様の改定をしなければならないのです。

ゼミ中にアメリカ側は、犯罪防止教育を行った結果犯罪件数が実際に減ったことを上げ、それなりの改善努力をしていることを説明しました。また、アメリカ軍内規則を厳罰化することも提案しました。

森ゼミブログ

さて日本側は裁判権の全権移譲、そもそもヘリコプターが沖縄に降り立つこと自体が問題なんだというかなり強硬な主張で押していきましたね。
アメリカは必死でどの部分で歩み寄ろうか、考える必要が出できました。しかしアメリカ側としては海兵隊運用の技術的側面で無理が生じたり、日本に甘くすると他のアメリカ軍駐留国から文句をいわれたりするので、簡単に首を縦に振るわけにはいきません。

そんなこんなで時間切れとなってしまいました・・・orz

でも今日の公開ゼミで重要なのは移設先がどこということよりも、日米関係改善のために日米両政府がどれだけ歩み寄れる余地があるのかを検証することにあったと思います。

日本側としては、日米同盟のそもそもの役割やアメリカ軍の運用方法に理解を示して同盟関係改善に努める必要がありますし、
アメリカ側としては全世界的に軍を展開するための重要拠点である沖縄に負担をかけすぎていることを理解しなければ、最悪の場合は沖縄撤退を余儀なくされるでしょう。そのときに痛い思いをするのは、実はアメリカ自身なのかもしれません。

日米両政府の主張と譲歩です
日本
主張
○環境問題、騒音問題、米兵の事件・事故 の改善
○地位協定の定義・罰則の明確化
譲歩
○県内移設
○環境アセスメントの即時実施

アメリカ
主張
○移設先の明確化
○環境アセスメントの即時実施
譲歩
○地位協定の追加条項
○新しい軍内規則の作成

さて最後に森先生のまとめです。
2レベルゲームでは、お互いに合意できる範囲(=win-set)を作り出すことが必要になります。でも議論の場ではどこがお互い納得できるかを探ることも大事ですが、いかに合意の邪魔となる主張を取り下げて譲歩をする/引き出すことが大事になってきます。
だから政府-国内レベルで主張が過激化しないように、譲歩するとすればどこに目をつぶるかを調整しなければなりません。
また議論が進んだ段階で主張内容を増やしてしまうのは、議論の長期化を意味するので避けなければならないでしょう。

○早く決定したいのは誰なのかという視点
今回の議論ではこの視点が欠けてしまい、特にアメリカ側はこれを使えなくて宝の持ち腐れになってしまいました。
普天間基地移設問題を一刻も早く解決したいのは、日本政府です。日本政府はそもそも支持率が低迷して危機的状態です、国会議員は常に『選挙に勝つ』という視点があるので、一刻を早く決断を下すことが大事になってきます。
一方沖縄は昔から続いている基地問題を解決するチャンスとして、議論を長期化させてでもアメリカ側に譲歩を引き出そうとしますし、アメリカ側としても条件のいい基地を手に入れるにこしたことはないので粘ります。

今回は、日本政府にとって沖縄は味方ではなく、かつアメリカ政府・アメリカ軍の意見を取りまとめるというハードな役回りでしたね。二年ゼミ長と三年ゼミ長が日本政府に配属されたのは、単なる偶然なんでしょうか??(`・ω・´)

以上、公開ゼミ議事録終了です。長くなりましたがお疲れ様でした。

今回のように時事ネタを扱うことは、まれですがそれでも今年はたとえば韓国哨戒艦「天安号」の沈没を北朝鮮の仕業だとしたら今頃北朝鮮は何を考え、次にどんな手を打ってくるのかを議論したりしました。

アメリカに絡む国際政治ネタは毎日ニュースでも取り上げられていますし、いくら「自分はニュースを見ない人間だ!!」っていっても名前だけなら知ってるネタはゴロゴロ転がっているわけです。
難しく構えずに、身近なところから問題意識を持ってくれれば十分です。アメリカ外交研究はそれぐらいとっつきやすく、だからこそ自分達みたいな学生でも相当なレベルまで議論を持っていくことができます。

 

 

 

広く、しかも深く!!

 

それが国際政治のなかで抜群にメジャーなジャンルであるアメリカ外交の特権です♪

今年の入ゼミレポートは中国の台頭について考えていただきますが、はっきりいって「本気で正解を書こうと思えばゼミ生でもそれなりに時間の必要な課題」だと思います。だから、絶対に難しく考えないでください。森ゼミ生に最終的に必要なのは

「問題の構造を把握すること。切り易い視点から問題を

 

議論すること」

につきます。
それは最初と最後の森先生の解説を見てくれたみんなにはわかると思います。
全然マニアックな知識を使わなかったでしょ??
だから入ゼミレポートも、日ごろニュースで言われている以外の視点で問題を考えてみたりしてください。(もちろんニュースの視点だって十分にすばらしいですけども)それだけで十分に独創的で、かつ人よりも視点が多いことでより問題に対する理解が深いと思います。

どうしてもすっきりと書けないときは、受験時代に立ち返ってとにかく埋めるだけ埋めてください。
解答用紙を埋めることもできない人は、さすがに失格ですし、埋められる人はそれだけでもやる気を評価できます。
ですからがんばってくださいね!!

次週10月20日水曜日の4・5時限は再びF405教室で公開ゼミを行います。
次回は今年の主要テーマである、同盟論を行います。

普段と同じ形式ですので、素の森ゼミを見に来てください。

以上、森ゼミの軍事アナリスト(?)江本がお送りしました。


今日は公開ゼミ~!

今日は、公開ゼミでした!
たくさんの方々にお越しいただき、ゼミ生一同心から感謝申し上げます森ゼミブログ-595e03deab4c5ebdb6ff82d6d254727d.gif
本日の議事録はまた後日アップしますね森ゼミブログ-1FL02650002.gif森ゼミブログ-47ffd8af9ce330001.gif
とゆうわけで!
今日は!
先生とゼミ生で飲み森ゼミブログ-decorank_image.gif森ゼミブログ-decoimage.gif
森ゼミブログ-101013_1939~010001.jpg
いろいろと、
ゼミの今後の話や
恋の話(笑)まで
話題に富んだお酒の会になりました森ゼミブログ-ファイル0056.gif
とても勉強になり、
楽しい森ゼミブログ-3506460001.gif
これが森ゼミのいいとこ、
オンオフがしっかりしている!
です森ゼミブログ-717852333a04389711efac56f13c7041.gif
新入生が入ってくるのが楽しみだなあ!
是非次週も寄ってみてください♪
うかい

7/21

21日のゼミは、2000年のG.W.ブッシュからオバマまでのアメリカの政治をC班の藤野、清水、朴がプレゼンし、2000年以降のアメリカの外交方針について学んだ。

 その後、森先生の下、「冷戦後のアメリカの外交政策で変わったこと、変わらなかったこと」について議論した。

 

 

 

ゼミ内プレゼンテーション

 

 

 

G.W.ブッシュ

l 共和党・ネオコンサーバティブ(新保守主義)

l アメリカに見られる単独行動主義が9.11以降変化し、多国間主義に訴えていった

l その後イラク戦争を強行、ブッシュ大統領の支持率は低下し、オバマ大統領へと変わった。

 

 

 

オバマ大統領

l 民主党、初の黒人大統領

l 「スマートパワー」の概念に基づき、多国間協調を推し進める。

 

 

 

 

 

 

今日のディベート

「冷戦の前後でアメリカの外交政策で変わったこと、変わらなかったこと

 

 

 

変化なし

学生の考え↓

l ウィルソンの理念の推進

l 民主主義の推進

l 核兵器の位置づけ

 

 

 

では民主主義の推進とはどういうことなのか?

民主主義国家にさせるために介入するのだ。目的は、反共産主義だったのが、民主化に変化している、しかし、民主主義にするために介入しようとしている。

では、武力介入のみなのか?もしそうであれば民主主義国家でない中国へ武力介入しない。

武力介入だけではない、文民統制などもやっている。

つまり、前後で民主化支援はしている。変化なしのカテゴリー。

 

 

 

では、核兵器に位置づけに関してはどうか

核兵器の位置づけとは、何を指すのか?これは危険性のとらえ方ということだ。

核兵器がアメリカの重要な外交政策になっていることは変わっていない。

それであれば、米印原子力協定はどうなのか?

アメリカは常に平和を求めている。それは冷戦期は核戦争の回避であり、今は核テロ防止である。

重要性は変化していない。

 

 

 

変化あり

学生の考え

l 冷戦期は米ソの二国間交渉が多かったが、そこから多国間主義に変化した。


 

 

 

冷戦期は国連を使わなかったのに、冷戦後は国連を使った。


冷戦期のベトナム戦争を例に、これは国連を通すことなく、戦争に踏み切った。しかし、イラク戦争は、国連に一応持ち込んで議論した。他の国がNOと行ったから決議が出なかった。

 

 

 

行動的に、(介入的には)多国間の了承を取り付けたのちに、介入する。アメリカに支持を与える国で有志連合を作る。

 

 

 

Multilateral if possible unilateral necessary

 

 

 

アメリカは常に正当性を確保したいのだ。それは国内世論のコストもあるためである。

7/14のゼミ

B班江本です!!!!
すみません、更新おくれました~~。
・・・・・・・・・友達がレポート手伝え!ってうるさくて(ノ_・。)


今回の課題は、『冷戦が終結したのはなぜか?リアリズム・リベラリズム(国内要因)・コンストラクティヴィズムそれぞれの観点から分析せよ』でしたビックリマーク
論点は以下の通りです。

《リベラリズム》

ポイントは三つ!!!

1.米ソ間のパワーギャップの拡大により、ソ連はアメリカにバンドワゴンした。

But!!!!
確かにそうなんですが、問題があるのです。
それは
どれぐらいのパワーギャップに達するとバランシングからバンドワゴンへの切り替えが発生するのかはてなマーク、この問いは誰もわからないのです(/TДT)/

というわけでポイント
2.どのくらいのパワーギャップがソ連のバンドワゴンを決定づけるのかはわからない。

です。
そういえる理由にはもちろんしっかりした先行研究がなされていないというのがひとつにあげられますが、

そもそもパワーの指標が怪しいという問題があります。

一国のパワーは経済力や軍事力や保有資源などさまざなな要素が総合されたものといえます。しかもそれぞれのデータも、データの取り方によって出てくる数値はてんでバラバラになってしまいます。特に軍事力規模というのは、怪しいものです。軍事情報自体が機密扱いされがちなデータであることを考えると、一国が発表している軍事費などの情報が正しいかどうか外側から判断することはきわめて難しいといわざるを得ません。
パワーギャップを明確に数値化して比較検討することなどできないのですダウン
それではソ連がなぜ疲弊しアメリカに対するパワーギャップをみすみす広げてしまったのでしょうか??

3.共産主義諸国の経済失敗


ソ連はなぜ冷戦終期に疲弊していったのか?この問いの答えとして、アフガニスタン侵攻の泥沼化が挙げられると思います。しかしながらそれが主原因ではありません。国外拡張でないとしたら、国内問題です。ここで私たちはソ連の経済に潜む根本的問題に目を向けなければならないのです。

ここで注目するのが、ソ連とソ連の衛星国の経済援助関係です。
資本主義国の同盟国関係では、大国から小国への援助はもちろんのこと、小国から大国への援助もありえます。また貿易上の協定を結んで、両国の経済活性化のための調整も行うことができ、両国の経済発展に繋がります。

しかしソ連ではどうだったか???

計画経済である以上、ソ連と衛星国の貿易による経済活性化という資本主義的方法は使えません。つまり衛星国の計画経済が失敗すると、ソ連は独力で衛星国の損失分を負担しなければなりません。資本主義国同士は相互援助が可能なのに対して、共産主義国家同士ではソ連から共産主義諸国へ、という一方的流れができあがってしまうのです。これではソ連はいつまでたっても国富を蓄えることができません。共産主義諸国経済の構造的問題は、ソ連の経済発展の機会を奪っていきました。

(図)———————————————————-
資本主義                共産主義
相互援助               一方的援助=成長の機会なし!!!!
大国⇔小国              ソ連⇒衛星国
—————————————————————

以上のことから、東欧などの衛星国の計画経済の失敗によりソ連は経済成長の機会を失った。このことにより、アメリカとのパワーギャップを縮めることが不可能になったから、ということがいえます。

続いては・・・
《リベラリズム(国内要因)》

です。今回は国内要因を主に分析しました。
ソ連経済が疲弊しており、それが冷戦体制を支えられなくなったのはリベラリズムでも確認したとおりです。
では経済の疲弊でソ連国内ではなにが起こったのでしょうか???
まずは国民の反発が起きました。それに並行してソ連政権内では反体制派が形成されます。しかしここで注意したいのが、反体制派は複数いることです。

ソ連独力でソ連建て直し路線 VS 西側との協調によってソ連建て直し路線

大まかにこの二つのグループが存在しうるわけです。両陣営は政治抗争を繰り広げるわけですが、ゴルバチョフが主導権を握ったことから分かるように、ソ連は西側と協調しつつ国を立て直すことになりました。情報の流入により、国民は西側の豊かな生活を知るようになり、西側との協調を主張するグループが力を持てたわけです。

最後に
《コンストラクティヴィズム》

です。
コンストラクティヴィズムで争点となるべきは、『ソ連のアイデンティティを変化させたのはなにか?』という問題です。

まず最初のポイント、それはシステム導入の必要性です
ゴルバチョフ政権は、経済の立て直しに資本主義的方法を導入します。なぜ資本主義的方法を導入しようとしたのか、それはまさに資本主義が現に成功している経済体制であったからその手法をまねることによって経済の立て直しができると考えたわけです。事実ゴルバチョフはアメリカのシュルツ国務長官に資本主義経済のレクチャーを受けていたという逸話まであります。

西側のイデオロギーを前提にソ連はどう生きていくか?その問いには西側の協調しかありませんでした。かくしてソ連に西側との協調という、アイデンティティの変化が生じたのです。

しかしそれだけではソ連は西側との協調に踏み込めません。なぜならソ連には、西側と協調することが西側からの攻撃される・軍事/外交的に攻め込まれる弱みとはならない保証が必要でした。冷戦中の米ソを苦しめ続けた、『安全保障ジレンマ』は相互不信から発生します。安全保障ジレンマをとく方法は、両国の信頼構築に他なりません。
ではソ連はアメリカのどの動きから、アメリカに対する警戒心をといていったのでしょうか?ポイントは4つです。

1.東欧への干渉を自制
1989年 東欧革命⇒アメリカはこの東欧の民主化に対して何も声明をださず、干渉もしませんでした。

2.バルト三国による独立の押さえ込み
1990年 バルト危機
⇒ソ連衛星国のひとつであるリトアニアの独立宣言によりバルト三国の独立が現実味をおびたものとなりました。しかしアメリカこれを調停、バルト三国の独立を阻止しました。これによりソ連はアメリカに信頼を傾けるようになります。

3.ドイツの再統一
⇒NATO残留のままのドイツ再統一でした。ドイツを失ったソ連には、ドイツのNATO軍が脅威に見えたのは間違いありません。ドイツNATO軍をなんとか残留させたいアメリカは、ソ連に300億ドル以上の経済援助を実施。NATO軍も反ソ軍隊にならないように、組織の変革を実施しました。

4.軍縮⇒1990年7月の首脳会談で、NATOは通常兵力と核戦力の一層の軍縮を決定しました。

一方、アメリカはソ連を信頼していました。それはすでソ連は弱りすぎてアメリカに反撃する能力がないという確信です。アメリカはソ連とつながりのある反米国家の政府転覆工作を何度か実行して、成功した例mもありますが、逆にソ連が西側国家の政府転覆工作を行ったことはついに一度もありませんでした。このことからも、米ソの力の差がわかります。アメリカは冷戦終結のために、東欧への干渉といった利益を自ら放棄することで、ソ連に対して敵対意志がないことをアピールしました。

次はB班、『戦後アメリカ外交史』
第5章 新しい秩序を模索するアメリカ外交
です。今回はの主役はクリントン。

クリントンのオンパレードでした!!!

1.「封じ込め」から「拡大」へ
・クリントン外交の課題と環境
→国内経済に重点がおかれる。
・同盟関係・敵対関係の変化
→非NATO地域の安全保障に乗り出す(=平和のためのパートナーシップ)
・日米同盟の変化
→米は日本をソ連に変わる脅威と認識、日米安全保障体制の再定義へ
・冷戦時代に敵対した国家との関係変化
●ロシア→核兵器撤廃援助、チェチェン紛争などで緊張関係は続く
●中国→関与政策で中国を国際システムに組み込ませる
・ブッシュ政権の遺産
→クリントンの外交=対応が遅い
ソマリア、ルワンダ、ボスニア=ヘルチェゴビナ、ハイチ、朝鮮半島、イラク問題といった問題が山積。
・外交指針の変化
→経済。社会・地球環境を考慮した新しい安全保障観 民主主義の拡大・拡大と関与の安全保障戦略

2.アメリカによる国際秩序形成の試み
・アメリカ単独主義の対抗
→共和党多数派議会とクリントン大統領の「分割政府」 二期目からは共和党と協調路線へ
・テロに立ち向かうアメリカ
→移民・イスラム教徒に対する恐怖・敵対心
・新たな軍事的秩序の模索
→旧ソ連の核兵器や技術の流出阻止・ロシアとの相田で戦略兵器削減する必要性
・「拡大」戦略の縮小と国内政治
→国内ではクリントンのスキャンダル。その時期にクリントンはイラクへの空爆など行い目をそらそうとした。国内政治問題の解決に外交を使ったと批判される。

3.歴史に残す足跡を求めて
・世界の調停者
→北アイルランド、イスラエル紛争の調停。しかし失敗。
・アメリカによる秩序形成といはんしゃへの制裁
→イラクの核査察拒否は2003年のイラク戦争へ繋がる。ボスニアー=ヘルツェゴビナではNATOの大規模空爆。一方、アメリカの横暴が目立つ。NGOの登場で国際秩序に変化。
・冷戦の清算を試みて
→ベトナム、中国、朝鮮半島、キューバへのアメリカ外交。
・未来志向のビジョン外交
→経済重視、民主主義の拡大
・アメリカのリーダーシップ
→他国から尊敬されつつ協力を引き出すというリーダー像を目指す

今回は書評はありませんでした。
ので!合宿でやることについての説明が先生からあったので書きます。

1.
二年生は日米同盟・米台同盟・米韓同盟・米比同盟・NATO
についてそれぞれ調べてますが、合宿では

同盟形成の条約締結に至るプロセス
を発表します。

そこでのキーポイントは、
どういう要因・ロジックが働いて同盟形成にいたったか?
同盟形成の際に存在した障害とはなにか?その障害をどう克服したのか?
アメリカと同盟国の政策担当者は何を考えていたのか?
(同盟形成という向かう方向は同じでも、目的意識の違いなど、双方の思考の違いに注目!)

2.アジアはなぜNATOのように多国間の集団防衛条約ではなく、二国間の同盟を締結するにいたったか?
→シュウェラー『同盟の規模』を参考

以上です。

レジュメを凝った作りにして、気分よかったんですが・・・・

ミシェロ・・・・

ミロシェ・・・・

ミロシェビッチっていえなくて・・・・・

・・・・そんでもってミロシェビッチが言えない自分がおかしくなって

いきなり笑いだすという

非常に気持ち悪いことをしてしまい

まことに・・・・

まこと~~~~~に申し訳ありませんでした。

来週は前期最後のゼミですね。
頑張りましょう。