ゼミの形式、留学、英語力などについて


Q1.普段のゼミの授業は、どのような形で進むのですか?

A.ゼミの進め方は、他のゼミと少し異なるのではないかと思います。学生がゼミでの課題文献についてその要旨を発表し、問題提起を行って、同じ授業時間にそのまま質疑応答や議論を行うというスタイルをとると、消化不良のまま、なんとなく議論して、何かやった気になってしまうので、そうした形はとらずに、概略以下のようなフォーマットで進めています。

1.課題文献の担当班がその要旨についてパワーポイントを使いながら報告します。

2.報告内容について考えるべき論点を、ゼミの班内で学生に議論してもらい、翌週までに取り組む課題案を各班(計6つ)から一つ提起し、翌週までに取り組みたい課題案を投票で決定します。

3.ゼミ生全員が、同じ課題について翌週までに、各自で考えをペーパーにまとめ、それを翌週のゼミで教員に提出します。

4.ゼミ生は、まず班内で前の週に決めてペーパーを書いてきた課題について話し合い、班としての主張や見解、分析など(課題の内容によります)をまとめ、要点を板書します。

5.各班が自分たちの議論を披露します(第1ラウンド)。その後、他班の意見の問題点や矛盾点を指摘するなどして批判します(第2ラウンド)。批判された各班が反論します(第3ラウンド)。

6.第3ラウンドを終えたところで、自分の班以外の班で、最も説得的な議論を展開したと感じた班に投票し、最も多くの票を集めた班が得点します。学期末に各班の得点を集計し、一番得点の高かった班を表彰します。

7.当該回のゼミでの投票結果を発表した後に、教員がそのゼミで議論した課題と議論の内容について講評し、若干の解説を行います。

 要するに、課題について議論する前の週にゼミ生が自分たちで課題を決め(=課題の設定がまずいと、その後の作業が混乱するので真剣かつ慎重に課題案を吟味する)、一週間かけてその課題について考え(=自分だけでじっくりものを考える力を養う)、同じ班内のゼミ生同士で議論し(=敷居の低い状態で忌憚のない意見交換を行い、協調性や調整能力を養う)、他班を説得するように見解を発表し(=「聞かせる」プレゼンテーションとは何かを意識したプレゼンテーション能力を養う)、他班の意見を批判し(=批判的思考を養う)、反論し(=知的な反射神経を養う)、得点制を採用し(=積極的な褒賞により競争原理を働かせて手を抜かないようにする)、教員も講評する(=知的な付加価値を提供する)といった幾つかの要素と狙いの下に、ゼミのフォーマットを組み立てています。学生の自主性を教員がサポートするイメージです。班内や班同士の議論が白熱してあっという間に2~3時間が過ぎていくので、それなりに密度の濃いゼミになっていると思います。

 もちろん文献の内容を理解し、課題に答えるための文章を書きますので、その作業を通じて、ものの考え方をどんどん進化させていってもらうことになります。ゼミでの作業を1年間こなすと、ゼミ生自身も自分のものの考え方がだいぶ変わったと実感しているのではないでしょうか。

Q2.ゼミに在籍している途中で派遣留学に行くことについて、森先生はどのようなお考えなのでしょうか?
A.「派遣留学を含む、あらゆる留学にどんどん行ってもらいたい」と先生はおっしゃっています。2年生の夏からでも、3年生の夏からでも構わないそうで、「留学は積極的に後押しします」とのことです。事実、今夏から3年生のゼミ生がモスクワに派遣留学に行っています。「帰国後については、下級生に交じってゼミに復帰してもいいですし、留学前に準備し始めたゼミ・ペーパーもしくはゼミ論文を個別指導という形で仕上げるのでも構いません。帰国後の残りのゼミ単位取得には、柔軟に対応します。」と先生はおっしゃっています。これまでにもフランスやアメリカなどにもゼミ生が派遣留学した実績があります。
Q3.ゼミで英語力は必要でしょうか?
A.秋学期には英語の文献を3~5本程度扱います。事前に準備する期間を設けるようにしていますし、2年生と3年生の混成班で英語文献を扱いますので、手も足も出ないのではないか、という心配は不要です。授業の大半は日本語ですが、一部の授業は英語でも実施します。ゼミ履修者の英語力の状況を見て、英語授業の回数を調整しますので、負担が大きすぎない範囲で英語力を磨くこともできます。